LCA(ローコストオートメーション)では「硬さ」の性質は非常に重要です。金属材料の素材の硬さと熱処理による表面硬さの関係や、ねばり強い靭性と脆さ、柔らかいが耐摩耗性のあるプラスチックなど、素材選択の基礎知識として必要になります。

 硬さの性質には、次のような多くの性質と関係があります。以下に事例を用いて解説します。

  1. 材料に変形を与えたときの強さ
  2. 粘さやもろさ
  3. 展延性
  4. 引っかき強さ
  5. 耐摩耗性

LCA設計における硬さの性質との係わりの事例

(a)構造強度設計における材料選定

*構造設計では、制約ある空間配置に対する材料力学面からの強度判断が必要
*材料選定に当たっては、値段、加工性、熱処理性能、標準化、サビ対策などの耐久性などが関係

■例

  • 単価の安い炭素鋼を大きな断面積で設計するか、高額な特殊鋼でコンパクトに構造設計するか

(b)耐摩耗性

*荷重の大きさで耐摩耗設計も異なってきます。

■例

  • 圧延用ロールなどの高荷重条件下での耐摩耗構造設計は、材料表面から相当の深さまで材料強度(硬さ)高さが必要
  • 軽いワークの位置決めテーブルの耐摩耗設計などは、テーブルの表面硬度を高くすることで対応可能な為、高硬度膜の表面処理などを選択

(c)粘さや脆さ

  • 絶対に破壊を回避しなければいけない箇所には、セラミック材料などは、いくら硬い材料でも採用できません。
  • 高精度が永続的に要求される超精密加工用キャリアなどは、キャリアをぶつけた時の凹凸バリによる精度劣化を避ける為に、セラミック材が採用されます。
  • 硬さと粘さの両立を求める場合は、バネ鋼を採用するときがあります。

【写真1】ロックウェル硬度計

 そのほかにも、硬さと残留応力/疲労/加工性(切削性)/溶接性などの関係から、LCA材料やその表面処理方法の選択を行う必要があります。