3次元測定器は任意の基準に対する精度測定や、平行度、同軸度などの幾何偏差が直接測定できるなどの利点がありますが、従来の測定方法と基準面(基準線)の定義が異なってくるためこの点の注意が必要です。ここでは、ダイヤルゲージを用いる従来の測定結果と、3次元測定器による結果の違いを解説します。

(1)ダイヤルゲージなどの従来の測定法と3次元測定器による測定結果の違い

(1)従来の測定方式の場合

a) 定盤などの精度の良い基準平面に測定物と測定機器用の保持具を載せ、定盤面を基準面(データム)として寸法測定を行う。(【写真1】参照;ハイトゲージの例)
b) 測定データは、測定点のデータがそのまま使用される。
写真1

(2)3次元測定器の場合

a) 測定物を載せた定盤基準面を必ずしも基準面(データム)として測定しない。したがって、上記(1)の測定基準面とは異なる基準面を採用する場合があります。
b) 測定面は、その面上の複数点の測定データを演算処理(最小二乗法など)した測定面(理論的な仮想データム)を採用するため、従来法と異なる面を用いた測定データによる算出となる。(【図1】参照)

図1

 以上の理由から、3次元測定器を用いた測定結果は従来の測定結果と違いを生じる可能性があります。そのほかに、3次元測定器は3次元空間を自動で計測させる複雑な機構を有す為、総合精度として10μm程度の誤差が伴います。