モノづくりのプロセスやその手段の治具・自動機などは、対象物を測る(数値化する)ことで、モノの状態の良し/悪しの判断が出来ます。自動機や加工機などは、部品精度が悪いモノを使うと組立作業に膨大な負担がかかったり、個体差の大きな加工機となります。したがって、加工部品が設計寸法を満たしているか、組付け精度が目標値を満たしているかなどを計測できることが重要です。以降では、各種の計測機材とその使い方を解説します。

(1)測長機器の歴史

 技術の進歩は非常に早いですが、それでも1μm精度を保証できるようになったのは、わずか100年前です。ここでは代表的な測長機器の歴史を書きました。

【表1】測長機器の歴史

年代 測長機器の歴史
1631年 バーニア(フランス人)が副尺を発明
1772年 ワット(蒸気機関車の発明家)がマイクロメータを製作(【写真1】)(1)
1867年 ブラウン&シャーフ社(米国)がマイクロメータの製作開始(【写真2】)(1)
1892年 マイケルソン(米国)が光干渉法でメ-トル原器の測定開始
1898年 ヨハンソン(スェーデン)がブロックゲージを完成
1920年 カール・ツァイス社が工具顕微鏡を開発
1929年 津上(日本)がマイクロメータを製作
1932年 津上がダイヤルゲージを国産化
1937年 テイラーホブソン社(英国)が表面粗さ計を開発
1960年 フェランティ社(英国)が3次元測定機を開発
1986年 ビニッヒとローラー(IBM研究所)がトンネル走査型顕微鏡でノーベル物理学賞を受賞

※ 参考文献-1:測定技術はどこまで進歩したか、上野滋、大河出版 より編集

・ 測長技術は、測定基準原器の発明から始まったために、機械屋の世界と距離がある感じを持ちやすいものです。物理屋の感覚を意識して、測長原理や誤差の要因を理解する必要があります。
・ 近年では、マイクロテクノロジ、ナノテクノロジの言葉が飛び交っています。この世界では、計測原器で保証された世界と違い、測る技術そのものが差別化の手段となってきます。

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(2)計測の重要性

 加工精度を保証するための測定機器は、加工物が必要とする精度よりも、1桁上の高精度な測定性能が要求されます。したがって、常に精密化の先行技術として計測技術が必要となります。測定の重要性は次のように表現できます。

■測定の重要性

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