LCA(ローコストオートメーション)−第2世代
大量生産のために同じ製品を繰り返し造る生産システム(フォーディズム)の発展に伴い、生産の道具であるLCA(ローコストオートメーション)の機構要素として「メカニカルカム・リンク機構」が登場します。
これは、LCA—第1世代の回転運動と直進運動の変換を「ヒンジ機構」で行い労力に利用した世代から、人間の巧みさを一定のルールとしてカムやリンク機構に置き換え2次元/3次元のモーションコントロールを実現した世代への飛躍です。
カムそのものは、古くは中世のレオナルド・ダ・ビンチのスケッチに図示されていました(【図1】参照)。それ以降、装飾用木工加工工具などで具体的に使用された後に、1900年の初め頃から織機や内燃機関に使われ高速性や信頼性の動特性の向上が追求されました。その後、NCマシンの登場とその進歩により、複雑なモーションコントロールを行うメカニカルカムやリンク機構の製作が容易になり、大量生産のための組み立て専用機の重要な機構要素となりました。
「メカニカルカム・リンク機構」は以下の長所を持つことから、高速度で安定したワ−クのハンドリングのためのピック・アンド・プレイスユニットやインデックステーブル、更には、最先端の電子部品用高速面実装装置の最適速度モーションコントロールに活用されるなど重要なLCAの機構要素となっています。
「メカニカルカム・リンク機構」の長所
- カム曲線により停止時の衝撃を小さくできるため、運動の高速化が可能です。
- 複数の動作を同時制御できるため、全体のサイクルタイムが短く出来ます。
- 部品点数が減らせること、小型化しやすいことから安定性と保守性に優れています。