切削加工:基礎知識(エンドミル周辺工具・用語)
- [2024/4/14公開] Question 切削工具の寸法記号についておしえて CAMで切削工具の寸法を入力しようとしているのですが、メーカーにより切削工具の寸法表記方法が異なり迷っています。寸法記号がどこの寸法なのか教えてください。 Answer ミスミの寸法記号と従来JIS記号、ISO13399(切削工具データの記述方式を統一した国際規格)に準拠したメーカー記号を、以下に記載していますのでご参照ください。 【エンドミル】タグ:
- [2024/4/14公開] Question エンドミル加工の位置だし機器にはどんなものがあるのでしょうか エンドミル加工の段取りをしていますが、位置だし機器にはどんなものがあるのでしょうか。使い方や取り扱いに注意が必要な場合があればそれも教えてください。 Answer エンドミル加工の位置だし機器にはおもにエンドミルの突き出し位置を測定するものと、加工物の位置検出するものがあります。 エンドミルでの加工前準備にはエンドミルの位置と、加工物の位置を把握していなければなりません。エンドミルの突き出し位置はコレットに挿入する深さによって変わるので、エンドミルを設置したら必要となります。また、加工物の位置もテーブルに設置したらX方向とY方向の基準面の検出が必要です。おもなエンドミルの突き出し測定機器と加工物の位置検出機器の例を以下に記載していますのでご参照ください。 【エンドミルの突き出し位置測定】 外部接点式(通電式) 接触通電することでセンサが反応。切削工具が通電する必要があります。
- [2024/2/15公開] Question 専用カッターとはどのようなカッターでしょうか? 専用カッターにランナー溝用、スプルーランナーロック穴用、ピンポイントゲート用、サブマリンゲート用とかありますが、どのようなカッターのことか教えてもらえますか? Answer ランナー溝用、スプルーランナーロック穴用、ピンポイントゲート用、サブマリンゲート用カッターは主にプラスチック射出成形金型に使われるカッターです。 【プラスチック射出成形金型の概要】 溶けたプラスチックを注入させる金型の入り口直後の太い径路をスプルーと呼びます。複数個の成形品をとる金型の場合、経路がここから複数に分岐します。スプルーから製品近くまでの経路をランナーと呼びます。樹脂はランナーを通り成形品に注入されますが、成形品の入り口部の経路をゲートと呼びます。
- [2023/11/22公開] Question フライス盤用コレットとはなんでしょうか? フライス盤用コレットとはどのようなものですか?用途や種類を教えてもらえますか? Answer フライス盤用コレットとはコレットホルダに切削工具を取り付けるための円筒状のアダプターです。コレットは主にストレートコレットとテーパコレットに分けられます。 フライス盤用コレットを交換することで、さまざまな径の切削工具を1つのコレットホルダに取り付けることができます。コレットは弾性変形により切削工具を把持しますが、切削工具の振れなど加工精度に直結しますので、消耗品として定期的な保守点検が必要です。コレットは形状からストレートコレットとテーパコレットに分けられます。その他タップ加工用のコレットもあります。コレットを選定する際は使用するコレットホルダに適合するコレット型式のなかから切削工具のシャンク径を選びます。以下に各コレットの説明を記載していますのでご参照ください。タグ:
- [2023/7/3公開] Question エンドミル加工に使う保持具を教えて エンドミル加工に使う保持具は色々と種類があるようですが、選定方法や特徴を教えてもらえますか? Answer エンドミルなど回転工具は保持具(ツーリングとも呼ばれます)で保持され適用されます。 この保持具を選定するには、1.テーパ部 2.保持方式 3.保持具の首下長さ 4.把握径(工具のシャンク径)を決めてから選定します 1.テーパ部 工作機械のシャンク規格についてはこちらをご参照ください。
- ソリッドエンドミル 四角い金属を加工する工具です。 特長 一体型エンドミルで、切れ刃とシャンク(エンドミルの柄部)が一体型で、切れ刃交換式(スロアウェイ)とは逆に刃部が摩耗すれば再研磨、再コーティングして使用可能です。 ハイスエンドミル 一般的に幅広く使用されています。超硬エンドミルに比べ安価なため、一般被削材における少量多品種の切削で、コストパフォーマンスに優れ、高いニーズがあります。
- Question ツーリングを選定するとき、シャンクの規格がBT、BBT、NBT、WBTなど似たようものがあり、自分の工作機械に取付くかどうか選定に迷っています。 Answer 基本的には同じ規格の同じサイズから選定します。同じ規格でしたらメーカが異なっていても互換性があります。 また、異なる規格でも中には互換性があるものもありますので、違いを十分理解したうえでご選定下さい。 選定の参考になるよう、それぞれの規格の特長などをまとめて下記に掲載します。 BT規格 特長 主な使用加工機:マシニングセンタ テーパー:7/24、プルスタッドボルトを引込み機構で引き上げて固定 表1 BTシャンクの主な寸法タグ:
- 便利な切削加工計算ツール よく使う①切削速度②1分あたりの送り③1分あたりの回転数④1刃あたりの送りをラクラク計算!
- Question 焼ばめホルダ導入の際に注意すべき点を教えてほしい 焼ばめホルダの導入を検討しています。これまでコレット式のホルダを使用してきたため、焼ばめホルダの導入に際してトラブルが発生しないか心配しています。新規導入にあたって注意すべき点について教えてください。 Answer (1)使用工具 焼ばめホルダで使用するには超硬工具が最適です。 ハイス工具は、熱膨張率がホルダ材質と近いため焼きばめ時間が長く、工具着脱が難しくなりますので、ご注意ください。 (2)工具の選択と保持方法 専用工具 焼ばめホルダは外周がスリムで、ワークへの接近性に優れており、全長の長い工具は不要です。必要以上に全長の長い工具ではビビリ発生による加工精度低下が懸念されますので、市販されている焼ばめホルダ専用工具を選定することをお勧めします。タグ:
- Question 焼ばめホルダの導入メリットを教えてほしい 加工内容の高精度化にともなって焼ばめホルダが普及していると聞きましたが、具体的にどんなメリットがあるのかわかりません。焼ばめホルダの導入メリットについて教えてください。 Answer 焼ばめの基本原理 ホルダ先端部を加熱し熱膨張させることで工具を挿入。 その後、冷却収縮させ、工具を把握する方式です。タグ:
- プラスチック射出成形金型のキャビティ、コアを切削加工する方法として、高速ミーリング加工法があります。高速ミーリング加工では、主軸回転数50,000~75,000rpm程度の高速で刃物を回転させて、熱処理後の合金鋼などを精密に機械加工することができます。わが国の金型工作法の中でも主力の機械工作法に位置付けられます。 高速ミーリング加工を行うために、マシニングセンタが必要なことは当然ですが、切削工具も必要です。工具材質は、超硬合金やcBN焼結体(立方晶窒化硼素)を使用します。工具は硬度が極めて高いことが必要ですが、さらに高速回転しますので、回転による工具の振れを小さくしないと切削面の粗さや加工精度が大きく左右されてしまいます。 そこで、マシニングセンタ主軸と工具をつなぐツールホルダーの存在が大変重要になってきます。 ツールホルダーは、一般のミーリング加工では、コレットチャック方式を採用しています。 しかし、コレットチャックでは高速回転させた場合の振れが大きく15~20μm程度も振れてしまいます。
- 金型部品の切削加工に用いるエンドミルやバイトなどの切削工具については、各種の専門用語が定められています。切削加工について検討する場合には、これらの専門用語を知っておくことが必要になります。 <スクエアエンドミル> フライス加工に用いるエンドミル工具のうち、外周面と端面に切れ刃を持ち、角形状の断面を持ったシャンクタイプのフライスのこと。 <ボールエンドミル> フライス加工に用いるエンドミル工具のうち、球状の底刃を持ったシャンクタイプのフライスのこと。 <ラジアスエンドミル> フライス加工に用いるエンドミル工具のうち、スクエアエンドミルのコーナー部が円弧形状のRが付いているフライスのこと。 <刃長> 切削工具の切れ刃部の長さのこと。 <シャンク> エンドミル工具の柄のこと。工具を工具ホルダーに取り付ける部分になる。 <工具径> エンドミル工具の刃部の外接円の直径のこと。 <ヒール> エンドミル工具の逃げ面と溝とのつなぎになっている部分のこと。
- モールド金型の部品のほとんどは金属製であり、炭素鋼をベースとした鋼材が使用されています。こららの素材は、機械加工によって所望の形状に機械工作されて金型部品となりますが、機械工作の中でも最もシンプルで加工効率が良いのが切削加工です。切削加工は、工具(刃物)によって鋼材等を削って加工します。旋盤やフライス盤による加工は切削加工です。切削加工は、そのプロセス自身は長年の金属加工の歴史において世界各地で膨大な量の加工が行われてきましたが、その過程で切削加工の理論体系はかなり確立されてきています。経験と勘による切削加工ではなく、理論に基づいた切削加工を行うことが精密金型の部品加工では必要になります。 そこで、切削加工における専門用語について解説をします。 <工具回転数> 回転工具が、単位時間に回転する回数のこと。 単位 min-1 <切削速度> 工具と工作物の相対速度のこと。 単位 m/min <送り速度> 工具と工作物の相対的移動速度のこと。 単位 m/min <切削抵抗> 工具の刃先が切削加工において受ける抵抗力のこと。 単位 N