安全機器を活かす安全回路
安全機器は、機械のリスク低減方策として使用するのに適した特徴をもっている。しかし、それぞれの安全機器の特徴を活かすためには、システム全体として安全を確保できる回路を構築する必要がある。
安全回路に求められること
安全回路は、以下のような要件を満たすことが必要である。
- 非常停止の解除時に不意に機械が再起動しない。
- 機械の安全回路が故障したときなどにも、機械の動力の電源を止めることができる。
- 安全回路が故障したままでは、機械の再起動ができない。
安全回路の主な特徴は
次のように安全が確認できない場合に動力源を遮断する。
- 安全検出用の機器が故障した場合
- 非常停止操作をした場合
次のように安全が確認できた場合に安全な再起動を行う。
- 安全回路内の接点が溶着していないことの監視
- 安全確認信号が正常に入力していることの監視
図1.安全入力と安全制御と安全出力の関係
安全機器によるトータルコストの削減
機械による災害が発生すると、災害への補償や機械の復旧が必要になるのはもちろん、現場の士気の低下なども含め、事業の継続に様々な負の影響が生じてしまう。規格に沿ったリスク低減を行う中で安全機器を適切に活用すれば、災害の発生を抑制することもできる。安全機器の使用は、事業を行う際のトータルコストを削減することにもつながるのである。
安全技術に裏付けされた機器の選定・設置⇒安全機器を正しく設置する
- リスクアセスメントは十分か?
- 安全対策は十分か?
- 安全装置の無効化はされていないか?
- 自動化といって安心していないか?
- コスト優先で安全対策を軽視していないか?
安全規格を正しく理解した上で安全設計や安全防護の妥当性を的確に評価し、安全機器の使用も含めた適切な方策を実施できる体制を整えることが必要である。