さらに、生体のような半透膜を使った限外ろ過法や、逆浸透法の出現により、液体中の固形物ばかりでなく、液体中のコロイドやイオンの水との分離ができるようになりました。
【図1】に逆浸透法の原理を示しました。
半透膜(半浸透性膜の別称で、膜の細孔が非常に小さい膜)で仕切られた二つの槽の一方には食塩水、他方の槽には純水を入れておきますと、純水は膜を通じて食塩水の槽に侵入し、食塩水の濃度は薄くなります。これを浸透といいます。このときのエネルギーを浸透圧といい食塩水の濃度に依存します。もしこのとき両槽を隔てる膜の細孔の直径が食塩分子の直径より大きければ、食塩は純水側に移動し、やがて両槽の濃度は等しくなります。これは拡散といいます。
いま【図1】のように細孔の非常に小さい膜(半透膜)を用いて、食塩水に圧力をかけると食塩水中の水だけが水の槽に移動します。これを逆浸透と呼びます。
実際には【図2】に示すように半透膜をチューブ状にして耐圧力を高めたものが使われます。精密ろ過した用水をポンプで加圧してチューブ内に送ると半透膜を通過した透過水と濃縮水が得られます。
【図3】に逆浸透モジュールを組み込んだ純水装置の一例を示します。