スプリングバック対策を以下に示します。
(1)ウェッブの底突き
曲げ内側半径が2t以下に適します。
▼解説
【図1】に示すようにウェッブ部分を圧縮すると、材料は曲げ部方向に流れ曲げ部分を圧縮します。
この方法は単に板厚を潰すという考えと、【図2】に示すような弧となっている状態を圧縮して、Aの直線にすると、弧と直線の差分が曲げ部の方向に圧縮を加え、スプリングバックを解消します。
(2)内Rセッティング法
曲げ内側半径が板厚以下に適します。
▼解説(【図3】)
この方法は曲げ部を内側から圧縮するスプリングバック対策法です。U曲げでは曲げが2箇所あるので問題がないのですが、L曲げではウェッブ部分の材料押さえが弱くなり、寸法のばらつきの原因となることがありますから注意して下さい。
形から分かるように曲げ部を弱くします。スプリング性を必要とする製品や、強度を必要とする製品には適しません。
S寸法を変えてスプリングバック量を調節します。
圧縮をかけることでフランジ部分の長さが少しマイナスしますから、フランジ高さの許容差が小さい製品では、展開長さの補正が必要になることがあります。