【図1】の(a)は丸めパイプと呼ばれる製品です。従来はパイプを切断したり、絞り加工で作られていたものを、コスト低減のために曲げ加工で作るようにしたものです。多く製品ではこの状態で問題なく使えるのですが、軸方向に圧力がかかるとか磁力線を通しやすくしたいといったときに、合わせ面を(b)のような形にして、より強固な接合とすることがあります。このときに注意することがあります。凸と凹の角に(c)に示すような逃がしを施すことです。角がぶつかってはうまく接合できません。板を少しずつ曲げて丸くしていく過程で凸と凹を合わせるので、凸と凹がゆるみを持って勘合するようにします。
【図2】(d)は箱状の曲げ製品の端面を接合して、より強固な形状とする方法です。丸めパイプと同じ方法で接合する方法と(e)に示すようなあり組する方法です。この場合も凸と凹の角部は(f)に示すような逃がしを付け、線部分がすき間なく接合するようにします。組み合わせた後に、何らかのかしめ作業を入れて固定する場合もあります。
ここに示した2つの方法は、簡単に見えて、こつのいる加工方法です。形状を工夫して凸と凹形状がかみあって行く過程で、材料が相手形状を成形して固定するといった工夫をしているところもあります。