バッキングプレートはバックアッププレート(これが正しい呼び方かも知れません)、バックプレート、バッキン等と呼ばれる金型部品です。【図1】のような使い方をします。
しかし、バッキングプレートは全ての金型に必要なプレートではありません。穴抜きパンチのように小さな面積に大きな力が働くと、パンチは押されてパンチホルダにめり込んでいくことがあります。このようなときにバッキングプレートは必要になります。このような条件が発生しない限り必要ないのです。
このような使用目的から、バッキングプレートはある程度の硬さが必要です。56HRC程度でしょうか。硬すぎると割れが発生する要因となります。一般的には工具鋼(SK材)や特殊工具鋼(SKS材)を使用します。
金型を構成するプレートの中で、バッキングプレートは一番存在感のないものです。そのようなわけで関心があまり払われません。金型のメンテナンスの際にも状態の変化を点検することが少なく、凹みや変形もあまり気遣われることはありません。パンチやダイ同様に注意を払い受け、面の状態を維持することが金型品質を保つことにつながります。