絞り加工製品を検討するときに、細かな部分を呼ぶときに困ることがあります。覚えておくと便利な各部の呼び方を示します。
【図1】は、円筒絞りに関する呼び名です。
- (1)フランジ
- :ブランクが絞られダイ面上に残ったブランク部分。フランジの縁は元の板厚より厚くなります。
- (2)フランジR
- :フランジと側壁間に付く丸みです。絞り金型のダイ肩半径(ダイR)に相当します。
- (3)側壁
- :ブランクがパンチによってダイ内に押し込められ、フランジに対して立ち上がった部分です。
- (4)底R
- :パンチ肩半径(パンチR)に該当する部分の丸みです。絞り容器の底に付くことからこの呼び名があります。
- (5)底
- :容器の底を形成する面です。底と言わずに天井と言うこともありますが、最近では底という呼び方が多いです。
【図2】は、角筒絞りの各部の呼び名を示しています。
- (1)フランジ
- :ブランクが絞られダイ面上に残ったブランク部分です。直辺部分とコーナーR部分でフランジ部の材料の動き方に大きな差があります。
- (2)直辺部
- :角筒絞りの直線で作られた側壁部分です。加工を考えるとき、曲げとの認識で加工を検討します。
- (3)コーナーR
- :側壁部分の角の丸みを構成する部分を指します。円筒絞りの一部として加工を検討します。
- (4)フランジR
- :フランジと側壁部分で作られる丸みです。製品としては全周均一な丸みとしたいところですが、加工の面からは直辺部の丸みは小さく、コーナーR部では大きくしたい丸みです。
- (5)底
- :角筒容器の底を形成する面です。