軟鋼板を絞った時に、側壁に薄いリング状の縞模様が発生する不具合現象が「ストレッチャストレイン」であることがあります。
ストレッチャストレインは【図1】に示す「荷重−伸び線図」で、荷重をかけなくとも伸びてしまう「降伏点伸び」によって起こる現象です。
スキンパス圧延(軟鋼板を1%程度薄くする軽い圧延)を行うと、降伏点伸びは無くすことはできます。
しかし、軟鋼板にはひずみ時効現象があり、スキンパス圧延を行っても、時間がたつと降伏点伸びがまた現れてしまうことがあります。
ストレッチャストレインは、加工速度が速いほど現れやすいです。
最近では材料の作り方も進歩し、この現象を見ることはほとんど無くなりました。
発生したとしても、再絞り工程でのしごき絞り等で消すことはできます。
鋼板の持つ独特な荷重−伸びが影響する現象として知っておくとよいでしょう。