気泡(bubble、void)は、成形品の内部に空気の泡が発生する現象です。レンズやプリズムのような透明な成形品では、外観不良や光学特性不良になってしまいます。機械部材では、強度の低下や破壊の原因になったりします。
気泡には、発生原因別に2つの種類に大別されます。
1つ目は、溶融プラスチックの中に空気が混ざってしまったことに起因する気泡です。これは、(bubble)に相当します。
もう1つは、成形品が収縮する際に発生する真空ボイド(void)です。これは成形品の肉厚が厚い部分に十分な保圧が作用しなかった場合に、ひけが発生するのと同様に、異常収縮によって引き起こされる現象です。
これらの対策としては、下記が考えられます。
bubbleに対する対策
(1)金型に関連する対策
- エアベントがない。または不足している。
- コールドスラグウエルがない。または小さすぎる。
(2)射出成形条件に関する対策
- スクリュー回転数が早すぎる。
- シリンダー温度が高すぎる。
- 射出速度が速すぎる。
(3)成形品デザインに関する対策
- 成形材料の予備乾燥が不十分。
voidに対する対策
(1)金型に関連する対策
- エアベントがない。または不足している。
- コールドスラグウエルがない。または小さすぎる。
- スプルー、ランナーが細すぎる。
- ゲートが小さすぎる。
(2)射出成形条件に関する対策
- キャビティ表面温度が高すぎる。
- 保圧が低すぎる。
- 保圧時間が不足している。
(3)成形品デザインに関する対策
- 成形材料の予備乾燥が不十分。
- 成形品の肉厚が厚すぎる。