金は、貴金属の代表的な存在として、装飾品、金貨などに多用されてきました。一方では電気の伝導性が良好であることから、金めっき等をほどこした電極端子などに利用され、半導体やコネクターなどにも大量に使用されています。半導体の封止成形や金属端子のインサート成形では、プラスチック材料と接触する機会があります。金は素材価格が高価なことから機械部品材料としては疎遠な感がありますが、ここでは一般的な金の物性について知っておきたいと思います。
金の一般的な性質
- 耐酸化性良好
- 耐食性良好
- 展延性良好
- 面心立方格子構造
金の種類 | 成分 | 引張強さ | 伸び | 硬さ |
24カラット金(純金) | 金100% | 13.3kgf/mm2 | 45% | 25HB |
18カラット金 | 金75%、銅2.33%、ニッケル17.3%、亜鉛5.47% | - | - | 220~240HV |
14カラット金 | 金58.3%、銅23.5%、ニッケル12.2%、亜鉛6% | - | - | 150~170HV |
10カラット金 | 金41.7%、銅32.8%、ニッケル17.1%、亜鉛8.4% | - | - | 130~150HV |
紡糸用 | 金70%、白金30% | 65kgf/mm2 | - | - |
歯科用合金1 | 金79~92.5%、銀3~12%、銅2~4.5%、亜鉛0.5%以下、パラジウム0.5%以下、白金0.5%以下 | 21~31.5kgf/mm2 | 20~35% | 45~70HB |
歯科用合金2 | 金65~70%、銀7~12%、銅6~10%、亜鉛1~2%以下、パラジウム10~12%以下、白金4%以下 | 35~39.9kgf/mm2 | 9~18% | 105~115HB |