材料の選定で、迷わない!基本的な材料や表面処理の特性・選び方をひとまとめ
- 工業材料とは?/金属材料の基本
- よく使われる金属材料
- 熱処理とは?/表面処理とは?
工業材料とは?
大きく4つに分類。本特集では、金属材料を重点的に解説します

金属材料の基本
材料規格と機械的・物理的性質の用語を確認
材料規格
材料の特性を容易に確認したり、材料の比較を容易にするために、工業材料は規格化されています。
JIS(日本工業規格)では、おおよそ下記のように表し、3つの部分から構成されています。

機械的・物理的性質の用語
材料により、機械的・物理的性質は変わります。一般的には、カタログなどに特性表が掲載されており、
用途に合っているか、不具合が出ないか確認しながら、選定を行います。
特性表などで使われる用語の定義を確認します。
名称 | 単位 (ミスミカタログ) | 説明 |
---|---|---|
引張り強さ | N/mm2 | 材料の引張り荷重に対する最大の引張応力 |
伸び | % | 材料を引張り、(材料が伸びて破断した時の長さ - 元の長さ) ÷元の長さ |
硬度 | - | 外力による金属表面の変形に対する抵抗力の大きさ。JISではブリネル(HB)、ビッカース(HV)、ロックウェル(HR)、ショアを規定(HS)を規定 |
導電率 (電気伝導率) |
% IACS | 材料の電気の流れやすさを表す指標で、電気抵抗率の逆数。工業的には、導体の電気抵抗率は IACS: International Annealed Copper Standard (国際焼きなまし銅線標準)という名の標準焼きなまし銅線 を 100%とした場合の導線が何%の導電性をもつかという比較値で表されることがある |
熱伝導率 | cal/(cm・s・℃) | 単位厚さの板の両端に1℃の温度差がある時に1秒間に伝わる熱量 |
線膨張係数 | 10-6/℃ | 温度の上昇によって物体の長さが膨張する割合を、1℃当たりで示したもの |
ミニコラム 芦屋釜をご存知ですか?
芦屋釜(復元)
芦屋釜は、お茶の世界では大変有名な湯釜です。
現在の福岡県遠賀郡芦屋町の地で、鎌倉時代から製作が始まり、室町時代には一世を風靡しました。
しかし、その歴史は江戸時代初期に終わったと言われています。
技術的にも優れ、形や文様がとても美しく、国の重要文化財に指定されている茶の湯釜9個のうち8個を
芦屋釜が占めています。
特長としては、2mmという厚みで軽いこと、錆びにくいこと、なまず肌と呼ばれる光沢があり
滑らかな肌表面などが挙げられます。
この特長は、この地で豊富に取れた砂鉄を使うことで生み出されました。
砂鉄の鋳造は極めて難しく、高度な技術力が必要です。
800~400年前の職人がこのような技術を持っていたことに驚きます。
現在、芦屋釜の復興を目指した取り組みが行われています。