プラスチック射出成形金型は、射出成形品を効率よく生産することができるかどうかが、その存在価値を決定するといってもよいでしょう。
では、射出成形品の生産効率を評価する指標としては、どのようなものが適切でしょうか?
その筆頭と言える指標は、射出成形品の製造原価でしょう。短い成形サイクルで、しかも多数個取りで、成形不良もほとんど発生しない金型であれば、成形品1個当たりの製造原価は著しく低く抑えることができます。
プラスチック射出成形品の原価構成は、一般に下記のようになっています。
- 原材料費
プラスチック原材料の費用です。内訳としてはさらに正味原材料費(成形品になる部分)と、スクラップ原材料費(ランナー等廃棄する部分)に分類されます。 - 成形加工費
成形加工に必要な人件費、電気料、水道料、機械償却費等です。 - 二次処理費
ゲートカット等の二次処理に必要な人件費等です。 - 二次加工費
成形加工後の印刷、塗装などの二次加工に必要な費用です。 - 検査費
成形品の品質検査に必要な費用です。 - 金型減価償却費
金型費用を1個当たりの成形品で減価償却する場合の費用です。 - 梱包・輸送費
成形品の梱包や輸送にかかる費用です。 - 不良対策費
成形不良が発生した場合の補償費用です。 - 純利益
射出成形加工企業が得る利益です。 - 租税
法人税、消費税等。