プラスチック成形金型に使用する特殊鋼や金属材料の強度や硬さ、疲労強さなどは、金属材料に含有されているレアメタル(タングステンやバナジウムなどの希少金属)の量や混合方法だけではなく、金属材料を精錬するときの冷却速度やインゴットの体積などによっても大きく左右されます。
また、金属材料を焼き入れしたり焼き戻しをしたりすることでもその強度や硬度は著しく変化します。このような変化をミクロ状態で試験する方法に顕微鏡組織試験があります。
顕微鏡組織試験では、金属材料の結晶の状態や大きさ、結晶と結晶の境界(結晶粒界といいます)の状態を目視で観察することにより、強度や破壊の原因等を推定するのに大きな役割を果します。
顕微鏡組織試験の手順の概要は次の通りです。
試験材料採取
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試験片形状に機械加工
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観察面粗研磨
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観察面仕上げ研磨
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観察面バフ研磨
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水洗
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観察面腐食
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水洗・乾燥
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顕微鏡観察
観察面の腐食には次のような薬剤を用いて観察しやすいように腐食を行います。
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- ピクリン酸アルコール溶液(4~5%)
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- 硝酸アルコール溶液(1~5%)
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- ピクリン酸ソーダ溶液
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- 過硫酸アンモニア溶液
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- 赤血塩アルカリ溶液
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- 酸性ピクリン酸アルコール溶液
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- 塩化第二銅溶液
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- 塩化第二鉄溶液
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- 混合酸グリセリン溶液
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- クロム酸