KKD(勘と経験と度胸)だけで、設計していませんか? 公差設計のメリット、必要な知識を分かりやすくご説明!
- 公差設計のPDCA
- 公差設計と幾何公差(GD&T)
- 3次元公差解析ソフトへの適用
公差設計と幾何公差(GD&T)
「公差設計のPDCA」でご紹介した通り、公差設計と幾何公差表記は密接に関係しています。
設計者の意図なくして公差設計はありえませんが、その意図を正確に伝達するために、幾何公差は不可欠なのです。
その関係を、次の図面を例に詳しく見ていきましょう。
これが公差設計と幾何公差=GD&T(Geometric Dimensioning & Tolerancing:幾何公差設計法)です。
図面改善によるコストダウン
前述の「公差設計と幾何公差」の一例からもわかるように、不備な図面はコストアップをもたらします。
現状の図面を見直し改善することで、手戻りをなくし、コストダウンを実現することができます。
- 無駄な公差はありませんか?
- 形状定義にあいまいな部分はありませんか? etc.
この図面でどんな仕上がりをイメージしますか? 平行移動した面の加工上がりをイメージしていませんか?
実際には、上記の図面では、下図のような形状もOKとされてしまうのです。
設計図面の不十分さは、即トラブル(コストアップ)に直結します。
上記のようなトラブルによる手戻りを無くすためには>設計意図を図面に正確に表現 しなければなりません。
ミニコラム 公差設計スキル認定制度
日本企業がグローバルなものづくりを実現していくには、どこの国で部品を作っても、どこの国で組み立てても、最終的に同じ品質の製品を仕上げなければいけないため、高い公差設計スキルを身に付ける必要があるといえます。
このような公差設計スキルを定量化し、客観的に判断できる制度が公差設計スキル認定制度です。
この制度ではスキルレベルを認定し、合格者には判定書を発行し、受験者に対して項目ごとの得点傾向や達成レベルに関するコメントなどを記載した成績表を発行しています。