回転軸受は回転する軸を精度良く、かつ、低摩擦状態で支える機械要素です。この性能を長時間にわたり安定して得るためには、回転運動による軸受機構部への悪影響(【表1】)を回避させるはめあい設計が重要です。

【表1】軸受機構部のはめあい設計と解決する課題

軸受機構部の課題 軸受機構部の不良現象 はめあい設計による対処例
高速回転運動による軸受温度の上昇 軸寸法の変化が偏荷重となり軸受焼付、偏磨耗、破損 軸受部の温度上昇を見越したはめあい寸法の選定
軸受部にかかる荷重によるラジアル方向/スラスト方向のすきま変動 回転精度の不良音響不良 荷重によるすきまの増大を見越したはめあい寸法の選定

回転軸受機構部の設計例

 代表的な軸受機構の例として【図1】の内輪回転—外輪静止の回転軸受機構を用います。

図1

軸径に対するはめあい選定

 回転軸と軸受内輪が一体となって回転できるように「中間ばめ」または「しまりばめ」を選定します。

【表2】軸のはめあい選定例(ラジアル軸受の場合)

軸のはめあい選定例 適応例 はめあい選定例
中間ばめ 軽荷重の回転
変動する荷重の回転
h5、js6、k6 など
しまりばめ 一般的な回転 js5、k5、m5、m6 など

軸受ホルダーの挿入穴に対するはめあい選定

 軸受挿入による外輪・内輪の変形を避け、かつ、組立の容易さ等から「すきまばめ」を選定します。一般的には「すきまばめ」(H7)を用いますが、軽荷重で負荷が小さい場合は、公差のおおきな(H8)を選定したり、温度上昇が大きい場合はクリアランスの大きな(G7)を選定することがあります。

【表3】穴のはめあい選定例(ラジアル軸受の場合)

穴のはめあい選定例 適応例 はめあい選定例
すきまばめ 一般的な回転 H7
同上 軽荷重 H8(H7より公差大)
同上 温度上昇が大きい回転 G7(クリアランス大)