はめあいとは、2つの部品どうしを組み合わせる場合のクリアランス(すき間)の管理方法です。プラスチック射出成形金型を組み立てる場合にはたくさんの部品が組み合わされますので、言わば「はめあい」が多数存在しているということになります。
はめあいは、部品間の適切なクリアランス量を確保することにより、部品の移動や固定がそれぞれ所望の状態になるように、科学的な裏付けによって部品設計を行うための指針となります。日本ではJIS B0401等で規定されています。
はめあいには、基本的に以下の3つの方法があります。
(1)すきまばめ
2つの部品の寸法公差がどのような状態であっても、かならずクリアランスを確保できるはめあいです。
- エジェクタピン外形寸法とコア穴
- コアピン外形寸法とコアピン穴
- スライドコア外形寸法とガイドレール幅寸法など。
(2)中間ばめ
2つの部品の寸法公差の組み合わせによっては、クリアランスがある場合と無い場合があるはめあいです。
- コアピンを叩き込んで組み立てる場合など。
(3)しまりばめ
2つの部品の寸法公差がどのような状態であっても、常にクリアランスが無い状態のはめあいです。
- ノックピン外形寸法とノック穴など。
さらに、はめあいでは「軸基準はめあい」と「穴基準はめあい」の2方式があります。金型の設計では「穴基準はめあい」を採用することが大半です。
JIS規格では、それぞれどのぐらいのはめあいで公差設定をすれば「すきまばめ」、「中間ばめ」、「しまりばめ」となるかの指針が具体的な数値(μm)で指標が示されていますので、設計時にはこれらを参考にすると良いでしょう。