・自動化機器の高精度化は、位置決め精度の高精度化と表現できる。しかし、位置決め精度の高精度化を劣化させる要因は多岐におよぶため非常に難しい生産技術と受け止めるべきであろう。
・複数回(n回)の位置決め作業を行った時の位置決め精度は、n個の位置決めバラツキを持つこととなる。この場合の典型的な位置決めバラツキをグラフで表すと図1のようになる。
・図1より、位置決め精度は、位置決め目標値に対する誤差の「かたより誤差」と位置決め精度の制約(位置決め公差)に対する誤差の「バラツキ誤差」の2つの誤差で構成されている。
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・「かたより誤差」が少ない性能を正確度が高いと表現し、「バラツキ誤差」が少ない性能を精密度が高いと表現する。また、「バラツキ誤差」が少ない性能を位置決め再現性が高いともいう。
・「かたより誤差」は位置計測と制御で位置決め目標に近づけることができるが、「バラツキ誤差」は、各種多様な誤差要因による生じる位置決め誤差のため、位置決め公差が厳しい場合には、バラツキ誤差の主要因の対策が必要となってくる。
・「バラツキ誤差」の代表的な誤差要因は次のような項目が挙げられる。
(1)位置決め装置固有のもの・・位置センサーと機構系の座標精度、駆動系のガタ、その他
(2)位置決めワーク固有のもの・・形状誤差、基準面誤差、その他
(3)ゴミや異物等による突発的変動