概要
・位置決めの方法に、顕微鏡で位置決め対象ワークを大きく拡大し光学機器上(ここでは顕微鏡)の基準ライン(顕微鏡の接眼レンズのカーソル線)と位置決め対象ワークの基準とを一致させる方法がある。磁気センサーのギャップの位置決めなどが事例です。この方法の場合、カーソル線とワーク基準を重ねると位置決め状態が見えにくくなる。カーソル線のデザインを改良することで高倍率でも位置決め状態が見やすくできる。
解説
・顕微鏡のカーソル線(【図1】)と位置決めワークの基準を重ねて一致させるとカーソル線でワーク側の基準が見えなくなり位置決め度合いが判別しにくくなる(【図2】)。
・しがたって、一般的にはカーソル線とワーク基準の間にわずかの隙間を持たせた位置で両者の平行状態で位置決め度合いを識別する(【図3】)。
・しかし、精密な角度調整(たとえば磁気センサーの位置決めなど)が必要な場合などにはこの方法は一層見にくくなる(【図4】)。
・【図4】の解決策として、カーソル線のデザインを変える方法が推奨できる(【図5】)。
・この【図5】のカーソル線デザインならば、直線位置決めも角度位置決めも見やすいため、高倍率の顕微鏡やディスプレイを使った手動位置決め作業でも目への負担が減らせる。
注意点など
・カーソル線を用いた位置決め方法の場合、カーソル線と駆動機構側のX軸、Y軸との位置決めが重要でまた、ゲージを用いてのスケール原点の設定なども作業として必要となる。これらの作業でオペレータによるバラツキを最小限にさせるためには作業を標準化させる必要がある。