高齢化が日本のみならず世界的に更に進むとの考えから、高齢者及び障害者に配慮された設計の重要性が高まっています。特に、消費者の多様化・高齢化と消費者保護の強化などの変化により、製品開発・設計段階での対応が重要です。ユニバーサルデザインと関連するデザインの考え方を解説します。
ユニバーサルデザイン(Universal Design)とは
・特別な改造や特殊な設計をせずに、すべての人が、可能な限り最大限まで使用できるように配慮された、製品や環境のデザインがユニバーサルデザインです。
・1985年頃にアメリカで誕生したデザインの考えで、日本でも1990年代の前半頃から普及しています。
・ユニバーサルデザインには次の7つの原則があります。
=ユニバーサルデザインの7つの原則=
(1)公平な利用・・だれにでも公平に使用できること
(2)利用の柔軟性・・使う上での自由度が高いこと
(3)単純で直感に訴える利用法・・直感的に簡単にわかる使用法
(4)認知できる情報・・必要な情報が簡単に理解できること
(5)エラーに対する寛大さ・・ミスが事故に繋がらないデザイン
(6)少ない身体的努力・・無理なく楽に使用できること
(7)接近や利用のためのサイズと空間・・適切なサイズで操作できるデザイン
・ユニバーサルデザインの7つの原則は、生産ラインで使われる生産用設備・治具の設計の原則にも適用が可能です。特に、高齢者の方などに使用してもらう装置類には重要なヒントとなります。
・ユニバーサルデザインに類似のデザインの考え方として下記が挙げられます。
*デザインフォーオール(Design For All)
*バリアフリーデザイン(Barrier Free Design)
*インクルーシブデザイン(Inclusive Design)・・・<Inclusive:全てを含んだ、包括的な>