高精度の測定や位置決めを要する装置構造では、アッベの原理にしたがい、測定線(位置決めワーク)と目盛線(リニアスケールなど)を、同一直線上に配置させることが設計原理として好ましいです。
解説
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(a)第一次の誤差
【図1】に例として挙げたノギスなどは、標準尺基準(L−L)と測定対象を計測する中心線(C−C)が同一線上に位置していません。この場合、L−L線とC−C線とが僅かでも傾いている場合、次式のような測定誤差が生じます。
が微小な角度の場合は
(b)第二次の誤差
【図2】に例として挙げたマイクロメータや横型万能測長器などの場合は、標準尺と測定対象は同一線上で測定を行います。このとき、案内面上を移動する標準尺の測定台が、案内面の誤差によりφだけ傾いているとすれば、そのときの誤差(△)は次式で示されます。
角度が僅かな角度の場合には、誤差△の値は微小な角度の2乗がかかってくるため、ほとんど無視できる程度の数値となります。したがって、この測定法の場合の誤差は、問題にならない程度に微小量となります。
が微小な角度の場合は
したがって、高精度の測定や位置決めを要する装置構造では、アッベの原理(第二次の誤差)にしたがった構造設計とすることが重要です。