ダイヤルゲージは、測定子の直線運動(または円弧運動)を機械的に拡大し、その動きを指針と目盛で測定する長さ測定器で、代表的な最小読み取り値は0.01mmと0.001mmの2種類です。
ダイヤルゲージの解説
(1)ダイヤルゲージの特徴
1. | ダイヤル目盛と指針で直読できるため、読み間違いや読み取り誤差が少ない | |
2. | 小型・軽量・安価で取り扱いも容易 | |
3. | 広い測定範囲を連続して測定できる | |
4. | 複数個所の測定を同時に処理することができる |
(2)ダイヤルゲージの種類
ダイヤルゲージの種類は、次の項目で分類されています。
【表1】使用目的に応じたダイヤルゲージの種類
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(3)ダイヤルゲージの性能
JISに規定されているダイヤルゲージの性能を【表2】にしめします。
【表2】JISに規定されているダイヤルゲージの性能 単位:μm
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(4)保持具について
ダイヤルゲージは、単体としては、測定器としては利用できません。保持具に固定して測定します。 |
(5)ダイヤルゲージ使用上の注意点
・ | 測定物の測定点形状に適した測定子の形状(球、平面、円錐形状など)を選定 | |
・ | 測定方法は、マスターゲージとの比較で測定するか、ダイヤルゲージから直読で測定するかを選択。前者の場合は隣接誤差の少ないもの、後者の場合は広範囲行き精度に優れるダイヤルゲージを選定 | |
・ | スピンドルを作動してなめらかに動くことをチェック | |
・ | 測定子を測定物の測定点上で数回測定して、指示値が安定しているかどうかチェック | |
・ | 視差による誤差を最小にするため、目盛板を真上から読み取ること | |
・ | 測定物が測定力で変形するような場合は、測定力による影響を考える必要がある。また測定方向(行き、帰り)の違いで測定力に差があるため、行きと帰りによる同一個所の測定は避けること |