フォトフォーミングは、前述のフォトエッチングにおけるフォトレジストのパターン形成技法と、電鋳法(エレクトロフォーミングelectroforming)あるいは化学めっき(chemical plating)を組み合わせたものです。
この方法は、化学エッチングを利用する技術ではありませんが、レジストのパターン形成方法は全く同じものであり、フォトエッチングと同じような分野に適用されていますので紹介します。
フォトフォーミングは、フォトエッチングパターンの存在しない部分(レジストの存在しない金属の露出部分)に、電気めっきまたは化学めっきによって金属を付着させ、それをある程度厚くしてから剥離して製品とする方法です。
フォトエッチングとフォトフォーミングの過程を比較して【図1】に示しました。
【図1】から明らかなように、パターン形成は両者とも同じですが、異なる点は、レジストを塗布する材料は、フォトエッチングでは加工物である金属でありますが、フォトフォーミングでは、導電性皮膜を表面に塗布した支持体です。この支持体は金属である必要はなく、絶縁物であるプラスチック、ガラス、ワックスなどでも可能で、導電性皮膜を塗布してめっきすることができます。所定の厚さのめっきを施してから、支持体からめっき層を剥離すれば製品が出来上がります。
従ってこの方法では、めっきしてから、それを剥離しなければなりませんから、剥離し易いように、予め、支持体面を前処理しておかなければなりません。
支持体としては、作業性、加工性、経済性などの面から、通常、鉄、ニッケル、ステンレス、アルミニウム、銅、黄銅などの金属が用いられています。これらの金属表面を、常法に従って脱脂・酸洗・活性化をした後、フォトレジスト塗布、感光、現像を行い、パターンを形成してから、酸化膜物、硫化物、クロム酸などの薄い皮膜を形成してから、めっきします。