5)電解旋削(electrolytic turning)
旋削加工を電解作用によって行うもので、通常の旋削加工のようにバイトに切込みを与えて軸方向に送るのではなく、【図1】のように、所要の形状に成形された電極工具を回転する加工物の半径方向に中へ送りこむことによって軸対称の旋削部品を得る方法です。
この方法によりますと、電極形状を所要の形状にすることによって、倣い旋削と同じ加工を1工程で行うことができます。また、通常の旋削加工では、旋削力による変形作用で加工が困難な加工も旋削加工も可能です。
6)電解切断(electrolytic cutting off)
この方法は、タングステンやその合金のような難削材料の切断に有効です。この方法に用いられる電極工具には多くの種類がありますが、一例を【図2】に示します。
この例では、薄い金属円板を高速で回転し電解液を円板にふきかけ、遠心力によって加工間隙へ送る方法で、この例では2箇所の切断が同時にできますが、円板の数を増やせば、多重の切断が可能です。
7)電解ミーリング(electrolytic milling)
電解作用を利用してミーリング加工を行う方法です。【図3】に回転する円筒電極の表面に電解液を吹きかけながらミーリングする方法を示します。この方法は、電極工具と加工物は非接触であり、電極は砥粒を含まない点が、一般の電解研削と異なっています。