金型を構成する材料で、主に構造を作る材料です。
(1)一般構造用圧延鋼材(SS材)
生材としては最も多く金型に使用されている材料です。多く使われている種類はSS400です。一般的にはSS材と呼ばれています。
SS400の数字は引張強さを表しています。SS400は400〜510N/mm2の強さを持っています。
この材料は粘りけのある軟らかい材料なので、ドリルなどによる穴加工では切削チップ(切り粉)がつながって長い螺旋状になり、処理しにくいとの意見もあります。
(2)機械構造用炭素鋼鋼材(SC材)
SS材と同様な使い方をします。SC材にはS10C〜S58Cまであります。数字は材料に含まれる炭素(C)の量を現しています。0.08〜0.61%の炭素量です。炭素量が0.61%をこえると炭素工具鋼(SK材)となります。
この材料のおもしろいところは、機械的性質が示されていないことです。参考値程度しかありません。その理由は、JISで示されている引張強さは、直径が25mm2の材料でテストしたものが示されています。大きな構造物になったときに条件が変わることに対する配慮です。
以前は規格の中のいろいろなものが使われていました。たとえば、S35C、S45C及びS50C、S55Cなどです。現在ではプレートの標準化などによって、S50CまたはS55Cのどちらかを使用することと統一されています。数値の高いものが残ったのは、炭素量が多い方が強いことが反映されたものと思われます。
機械での加工性については、SS材のように切削チップが大きくならないので、スクラップ処理がしやすいので使いやすいと見られています。これは炭素量の違いといえます。SS材では炭素量の指定がないのです(非常に少ない)。