グリッパフィーダは2つのクランプを操作して、材料送りを行います。2つのクランプの一つは固定クランプ、材料を押さえたり、開放したりします。もう一つのクランプは移動クランプです。材料を掴み、移動させます。ロールフィーダはロールの回転を利用して材料送りを行いますが、グリッパフィーダは移動クランプの往復運動で材料送りを行います。
クランプと往復運動の動作を空気圧利用で行うエアーグリッパフィーダと、プレス機械の回転軸から駆動力を得て動作するメカニカルグリッパフィーダがあります。
グリッパフィーダは往復運動であることから、高速送りには不向きであると言われてきましたが、メカニカルグリッパフィーダでは、かなりの高速加工に対応します。エアー式のグリッパーフィーダは取り扱いが容易なことから、金型に取り付けて専用化して使うことも行われています。
【図1】は、グリッパフィーダの動作を説明しています。
A | 固定クランプが開き、移動クランプが材料をクランプして、材料送りが開始される直前を示しています。 |
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B | 移動クランプが材料の送り長さ距離を移動して、材料送りが完了した状態です。 |
C | 固定クランプが閉じ、移動クランプと共に材料を押さえている状態を作りだしたところです。 |
D | 移動クランプが開き、材料を開放して戻り動作に移行する直前の状態です。 |
E | 移動クランプは戻り動作に入り、次の材料送りの状態に復帰したところです。固定クランプは移動クランプの戻り動作のときに、材料が動かないようにしています。 |
F | 移動クランプが材料をクランプして、次の送り動作に入ったところです。この時も固定クランプは同時に材料を押さえています。この後はAの動作に戻ります。 |
金型での材料への加工は、送り装置がDの状態のときに行われます。加工の内容が順送加工であると、金型のパイロットは材料の送り誤差を修正するために働きます。この時に材料が固定クランプで押さえられていると、パイロットは材料を動かすことができないので、パイロットが誤差修正に働くときは固定クランプも開き、材料移動が容易となるようにします。この動作を「リリーシング」と呼びます。