コイル材を【図1】に示すような材料ストック部に置き、ピンチロールによって巻きほぐします。
材料ストック部は最大幅が入る構造となっています。この部分には材料幅にあわせて保持するガイドがあり、コイル幅の変動にあわせて対応できるようになっています。この部分にコイル材を入れるには、後ろから転がし入れるか、クレーンで吊り上げ入れるかのどちらかの方法が取られます。
落とし込まれたコイル材は下部にあるローラの上に乗ります。コイル材外周がこのローラ上を回転して、巻きほぐされます。
このようなことから、コイルクレードルでは、薄板材や材料表面傷を嫌うものには適用が難しいです。反面、厚板材や幅広コイル材等には使いやすい装置です。熱間圧延鋼板のような材料加工に適したものといえます。
材料の巻きほぐしはロールで挟み、引き出します。この引き出し用のロールをピンチロールと呼びます。
ピンチロールは、材料ループ上に置かれたループ検出バー(この他にもいくつかの検出手段がある)によって、材料のたるみと張りを検出して、間欠駆動します。
【図1】はコイルクレードルの基本機能を示してます。コイル材料の板厚が厚く、かつ幅広になってくると、材料の先端をピンチロールに挟み込む作業だけでも大変です。そのため材料の幅ガイドの他に、材料の跳ね上がりを押さえるガイド等や受けロールも駆動して、初期段取りが容易にできるように工夫されたものも多くあります。