コイル材を加工して、製品をコイルに巻き取る加工を「コイルtoコイル」と呼びます。
この加工はコネクター等の製品に多く見られます。このような加工では、途中で異常が発生すると発見できずに、製品として巻き取られた最終端で発見されることが多いです。この場合は巻き取られた製品コイルは不良となります。しかし、異常製品が流出しないですんだことは幸いといえます。かす上がり異常のように途中で発生して、すぐに消えてしまうような異常は、製品コイルの終端では発見できずに流出して、組立ラインで発見され問題となることが多くあります。
「コイルtoコイル」の加工では、金型やプレス機械の信頼性を高めて問題発生が無いように努めますが、それだけでは安心できずに画像処理を活用しての品質チェックが工夫されています。【図1】に示したものが画像処理検査の一般的なイメージです。
画像処理検査は大きく分けて2つあります。その一つは、連続して流れてくる製品と同期してカメラで製品を撮影し、静止画として抽出し画像認識をして、その画像を判定します。良否の識別の方法としてはパターン認識があります。製品の形状やキズ等を、パターンとして記憶されているものと比較して判定する方法です。輪郭形状は比較的容易に管理できますが、キズ等の表面状態の検査では撮影時の状態に影響されることがあります。光源の状態によってはハレーションを起こして、キズ等が分かりづらくなることです。
もう一つの方法は、製品が光軸を遮る瞬間を検知して、寸法を測定する方法です。製品の流れと検査のタイミングを同期させることは、画像認識の方法と変わりません。多くの寸法を測定することはできませんが、重要寸法を管理するにはよい方法です。画像認識に比べコストを安く抑えられます。