Q
曲げ線の長いU曲げ加工をすると、曲げ線方向に反りが出る。原因と対策を知りたい。
A
【図1】のようなU曲げをすると図のような形状に変形し、曲げ線は図のように反ります。金型やプレス機械の剛性が十分であっても、この現象は発生します。原因はスプリングバックにあります。
通常、U曲げではフランジは外に向かって開きます。この時にウエッブ部分も図のように反ります。この現象は製品の両端部分で大きく、中央に向かって減少します。この状況はウエッブ部分でも同様に変化しています。この変化がウエッブ部分の反りとなって製品に現れているのです。
対策としては、もうお分かりのように、スプリングバック対策を取ることです。しかし、スプリングバックは【図2】に示すように、両端部(A)と中央部(B)で異なっていますから、対策もこの現象にあわせて取る必要があります。(A)部では強く、(B)部は弱くする必要があります。このようにするためには金型は1体に作っては処置がしにくくなるので、現象にあわせて3分割して、(A)−(B)−(A)の状況に合わせてスプリングバック対策を取ります。もっと細かく対策をしたいときには5分割することがあります。
このような反りとは逆に反る現象もあります。これは金型やプレス機械の剛性が低く、加工力によって金型の中央が凹むように変形することによって起こります。このようになると両端のU曲げは強く底突きされる形となり、【図1】とは逆方向の反り増加を助長します。対策としては、金型やプレス機械の剛性アップとスプリングバック対策です。前記同様に3分割しておくことが処置しやすいです。