【図1】に示すような曲げ角度が小さい形状の製品では、通常のブランク加工→曲げ加工の2工程とせずに、1工程でブランク加工と同時に曲げを行うことができます。
抜き加工で、加工力を軽減する目的で使われているシヤー角を利用します。シヤー角をパンチもしくはダイにつけることで、打ち抜き加工力を軽減します。このときに、抜かれた材料はシヤー角形状に倣う形となります。この特徴を利用した曲げが、ここで紹介する曲げ方法です。
シヤー角をダイにつけるとダイ上の材料が変形します。パンチにシヤー角をつけるとパンチ下の材料が変形します。曲げではパンチのシヤーをつけた形を使います。【図2】および【図3】の形とします。シヤーの形はこの図のような角度でも円弧であっても大丈夫です。
この方法では、曲げ形状を受けるダイが無いために、正確な曲げ角度とすることが難しい。硬い(弾性が大きい)材料には適さないといった欠点はありますが、難鋼板、黄銅および銅合金、純アルミ等の材質では有効に使うことができます。