アルミニウム合金は、アルミニウムを主要な素材とし、亜鉛、銅、珪素等の元素とによって組成されている軽合金です。プラスチック射出成形金型では、簡易金型、ハイサイクル成形金型、ブロー成形用金型、真空成形用金型、鋳造模型などに利用されています。
アルミニウムは、軽量で熱伝導性が良好、被削性も優れるという特徴を持っていますが、硬さが低いために、打痕やスクラッチ(ひっかき傷)によって、表面が凹凸になってしまいやすい欠点があります。
そこで、このような表面硬度の低いことを改善するために、数種類の表面処理が確率されています。アルミニウム合金の主要な表面硬化の方法は、次のような種類があります。
○硬質アルマイト
陽極酸化法という処理で、酸化アルミニウムを強制的に表面に形成させて、硬さと耐磨耗性を改良する方法です。プラスチック射出成形金型の表面処理では、最もポピュラーな方法です。皮膜の厚みは30μmと厚くすることができます。
○硫酸アルマイト
硬質アルマイト処理よりは硬度が低下し、皮膜の厚みも8μm程度と薄いのが特徴です。
○タフラム処理
硬質アルマイト処理にふっ素樹脂を含浸させて皮膜を形成する方法で、耐磨耗性や金型からの離型性が改善されます。
○クロメート処理
防食対策に硬化がある皮膜。膜厚は2μm程度と薄いが、耐磨耗性に優れています。