工具劣化や、精度が出ないなど、ドリル加工の「困った問題」について、改善方法をご紹介いたします。

図1 ドリルのトラブルシューティング一覧

問題 イメージ 原因 対策
刃先外周部の欠損
  • 剛性不足、被削材固定不十分
  • 同心度のずれが大きい
  • 断続切削
  • 被削材を十分に固定する
  • 同心度補正を行う
  • 送り量を下げる
逃げ面の過大な摩耗と亀裂
  • 切削速度が速い
  • 送り量が低い
  • 逃げ角が小さい
  • 切削速度を下げる
  • 送り量を上げる
  • 逃げ角を増加させる
切れ刃部分の欠損
  • 剛性不足、被削材固定不十分
  • 断続切削
  • 摩耗と亀裂の限界超過
  • 被削材を十分に固定する
  • 送り量を下げる
  • 工具交換の間隔を短縮する
ランドの摩耗
  • 剛性不足、被削材固定不十分
  • 同心度のずれが大きい
  • 不適切なクーラント潤滑油/低い水溶性油濃度
  • 被削材を十分に固定する
  • 同心度補正を行う
  • 水溶性油濃度を増加、ストレート油を使用する
工具ボディの焼付き
  • 剛性不足、被削材固定不十分
  • 同心度のずれが大きい
  • 断続切削
  • 被削材表面のざらつきがある
  • 被削材を十分に固定する
  • 同心度補正を行う
  • 送り量を下げる
  • 水溶性油濃度を増加、ストレート油を使用する
チゼルエッジの摩耗と亀裂
  • 切削速度が遅い
  • 送り量が高すぎる
  • 切れ刃の過剰ホーニング
  • 切削速度を上げる
  • 送り量を下げる
  • ホーニングを低減させる
心厚シンニング部と切れ刃部分の交差面の欠損
  • 逃げ角が小さい
  • 切れ刃の過剰ホーニング
  • 不適切な工具使用
  • 逃げ角を増加させる
  • ホーニングを低減させる
  • 適切な工具の使用
刃先外周部の塑性変形
  • 切削速度が速い
  • ホーニングが不正確または欠如
  • 面取りが不正確または欠如
  • 切削速度を下げる
  • 正確なホーニングを施す
  • 正確な面取りを施す
直進度のずれと軸ずれ
  • 剛性不足、被削材固定不十分
  • 同心度のずれが大きい
  • 工具摩耗が進んでいる
  • 被削材を十分に固定する
  • 同心度補正を行う
  • 再研磨を行う
穴あき開口面の大きなバリ
  • 送り量が高すぎる
  • 摩耗と亀裂の限界超過
  • 切れ刃の過剰ホーニング
  • 送り量を下げる
  • 工具交換の間隔を短縮する
  • ホーニングを低減させる
面粗度不良
  • 剛性不足、被削材固定不十分
  • 同心度のずれが大きい
  • クーラント量が不足している
  • 被削材を十分に固定する
  • 同心度補正を行う
  • クーラントの量と圧力を増加させる
折損が多い
  • 送り量が高すぎる
  • 切りくずの詰まりが起こっている
  • 食いつきが悪い
  • 送り量を下げる
  • ステップフィードの回数を増やす
  • 被削材を十分に固定する
  • 食いつきの良い先端形状を採用する
  • センタリングを行う
穴径が拡大する
  • 剛性不足、被削材固定不十分
  • 同心度のずれが大きい
  • リップハイトが大きい
  • チゼルが偏心している
  • 被削材を十分に固定する
  • 同心度補正を行う
  • センタもみつけを行う
  • 再研磨を行う
穴径のばらつき
  • 切りくずの排出が不安定
  • 連続加工による加熱
  • 食いつきが不安定
  • クーラントの量と圧力を増加させる
  • センタもみつけを行う
  • シンニング処理された工具を選ぶ
真円度不良
  • 剛性不足、被削材固定不十分
  • 同心度のずれが大きい
  • リップハイトが大きい
  • チゼルが偏心している
  • 被削材を十分に固定する
  • 同心度補正を行う
  • センタもみつけを行う
  • 再研磨を行う