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近接センサの動作原理と出力回路|誘導型・静電容量型・磁気型・NPN/PNP

検出対象の材質・設置方法・接続するPLCが分かれば、方式と出力形式を絞り込めます。検出原理は誘導型・静電容量型・磁気型の3方式があり、誘導型はさらにシールド型(埋め込み設置対応)と非シールド型に分かれます。出力はNPN/PNPをPLCの入力仕様に合わせます。

仕様から近接センサを絞り込む

このページの目次

誘導型近接センサの詳細:高周波発振と渦電流の原理

誘導型近接センサは高周波発振回路によってセンサ前面のコイルから高周波電磁界を発生させます。金属がこの電磁界内に入ると、電磁誘導によって金属内に渦電流(うずでんりゅう)が発生します。渦電流はエネルギーを消費するため、発振コイルのインピーダンスと発振振幅が変化します。この変化を検出回路が捉え、しきい値を超えたときにON/OFF信号を出力します。

誘導型の主要仕様

仕様項目代表的な値備考
検出対象鉄・SUS・アルミ・銅・真鍮など金属全般材質により補正係数あり(後述)
検出距離1~30mm程度(長距離・大口径タイプでは~60mm程度)センササイズ・シールド形状・機種により異なる
電源電圧20~250V AC(正しい数値はメーカー仕様をご確認ください)DC2線式・3線式・AC型がある。正しい数値はメーカー仕様を確認
応答時間数百μs~数十ms程度高速型では150μs程度の製品例あり
動作温度範囲-25~+70°C(一般品)200°C以上耐えられる高温対応品もある

材質補正係数について

誘導型の規定検出距離は鉄が基準です。実際の検出距離は被検出物の材質によって変わるため、鉄以外の金属を検出する場合は、材質補正係数(標準検出物体に対して、対象金属の検出距離がどの程度になるかを示す係数:実効検出距離 = 公称検出距離 × 材質補正係数)を考慮する必要があります。
他の金属では検出距離が変わり、一般的な誘導型では鉄に比べてSUS・アルミ・銅・真鍮などの検出距離が短くなる傾向があります。補正係数は材質や機種によって異なるため、メーカーの仕様・特性図を確認し、設置前に実際の被検出物で動作確認を行うことが重要です。

静電容量型近接センサの詳細:電極間静電容量変化の原理

静電容量型近接センサはセンサ前面の電極とグランド間の静電容量を高周波発振回路で検出します。対象物が電極に近づくと電極間の静電容量が増加し、発振周波数や発振振幅が変化します。この変化を検出回路が捉えてON/OFF出力します。

静電容量型の特徴と誘導型との違い

比較項目誘導型静電容量型
検出対象主に金属金属・樹脂・液体・粉体など
透明体検出不可可能(ガラス・プラスチックなど)
液面検出不可(金属のみ検出のため、非金属の液体は検出不可)可能(非金属容器では容器壁越しに検出できる場合がある)
湿度・結露の影響少ない受けやすい(誤検出の原因になることあり)
感度調整通常不要感度ボリューム調整が必要な場合あり

静電容量型は感度設定が重要です。感度を高くしすぎると容器壁や周囲物体、湿度・結露などの影響で誤検出することがあります。設置後に現物で感度を最適化してください。

磁気型近接センサ(磁気式・磁気近接スイッチ)の原理

磁気型近接センサは永久磁石が近づいたときの磁界変化を検出します。リードスイッチ式・ホール素子式・磁気抵抗式(AMRなど)などがあります。

種類検出原理特徴主な用途
リードスイッチ型磁界でリード片が吸引接触電気的接点(検出素子自体は電源不要)。安価シリンダポジションセンサ・ドア開閉検出
ホール素子型ホール効果(磁界で電圧発生)非接触・高耐久・長寿命。半導体素子回転検出・エンコーダ・位置検出
磁気抵抗素子型(AMRなど)磁界による電気抵抗の変化を検出高感度・非接触シリンダ位置検出・位置検出

空気圧シリンダに使用されるポジションセンサ(オートスイッチ)はリードスイッチ型・ホール素子型・磁気抵抗素子型などの磁気センサで、シリンダ内のマグネット付きピストンの位置をシリンダチューブ越しに検出します。

シールド型 vs 非シールド型:埋め込み設置と検出距離の違い

タイプ側面磁界の有無埋め込み設置公称検出距離特徴
シールド型(フラッシュ型)側面方向の磁界の広がりを抑制(前面に集中)可能(金属ブラケットに面一設置)非シールド型より短い傾向コンパクト設置。側面の金属に反応しない
非シールド型(ノンフラッシュ型)側面にも磁界発生不可(周囲に金属があると誤動作)シールド型より長い傾向検出距離が長い。周囲金属との離間が必要

シールド型近接センサ一覧

非シールド型近接センサ一覧

金属のブラケットや機械フレームに埋め込んで設置する場合は必ずシールド型(フラッシュ型)を選定します。非シールド型は周囲の金属の影響を受けるため、メーカー指定の離間距離を確保して設置します。センサのカタログで「埋め込み可」の表記を確認してから選定してください。

近接センサの出力回路:2線式 vs 3線式 NPN/PNP

配線方式構成特徴PLCとの接続
2線式電源線と出力線を兼用(+/-の2線)配線が最もシンプル。残留電圧・漏れ電流あり漏れ電流に注意。
PLC入力のON/OFF電流、漏れ電流、残留電圧の許容値を確認
3線式 NPN(シンク出力)電源(+/-)+ 出力(NPN Open Collector)ON時に出力端子が0V側に接続された状態になり、センサ側へ電流を引き込むプラスコモン入力のPLCと接続
3線式 PNP(ソース出力)電源(+/-)+ 出力(PNP Open Collector)ON時に出力端子が+電源側に接続された状態になり、センサ側から電流を供給するマイナスコモン入力(PNP対応)のPLCと接続

NPN出力とPNP出力は、接続するPLCの入力仕様に合わせて選定します。NPN出力はセンサ側が電流を引き込むシンク出力、PNP出力はセンサ側が電流を供給するソース出力です。日本国内の設備ではNPN出力対応の入力仕様が多く使われていますが、機種によりPNP出力対応品やNPN/PNP切替対応品もあります。接続前にPLCの仕様書で入力回路とコモン接続を確認してください。

主要メーカー比較表:オムロン・キーエンス・パナソニック

メーカー代表シリーズ(誘導型)特徴得意な用途・環境
オムロンE2B・E2Eシリーズ豊富な径・設置方向バリエーション。IO-Link対応品あり汎用製造ライン・PLC連携
キーエンスER・EV・EZ・ED・EM・ESシリーズなど長距離型、耐環境型、小型、アンプ分離型など、用途別のシリーズ展開長距離検出、耐環境用途、アルミなど非磁性金属の検出、狭小スペース、保全性を重視する設備
パナソニックGXシリーズ・GAシリーズGXシリーズはアンプ内蔵型、GAシリーズはアンプ分離型。小型・角型・シリンダ型・小径ヘッドなどから選定小型装置、狭小スペース、一般的な金属ワーク検出、アンプ分離が必要な設置
MISUMI取扱品各メーカー品ねじ径・シールド型/非シールド型・出力形式で絞り込み選定可能複数メーカー比較。用途に応じて各メーカー品を選定可能

よくある質問

誘導型と静電容量型の近接センサはどう使い分けますか?

検出対象が金属のみなら誘導型、樹脂・液体・粉体など非金属も検出したい場合は静電容量型が候補となります。静電容量型はガラスやプラスチック容器越しの透明体・液面検出も可能です。ただし、静電容量型は対象物の誘電率、容器材質、容器厚、湿度、結露、付着物の影響を受けやすいため、実際の設置条件で感度調整と動作確認を行うことが重要です。

近接センサのNPN出力とPNP出力はどちらを選べばよいですか?

近接センサのNPN出力とPNP出力は、接続するPLCや制御機器の入力仕様に合わせて選定します。日本国内の設備ではNPN出力対応の入力仕様が多く使われ、欧州系設備ではPNP出力対応の入力仕様が採用される傾向があります。ただし、PLCの機種や入力ユニットによって対応方式やコモン接続は異なるため、既設設備ではPLCの入力回路図、入力コモン、センサの配線図を確認して選定してください。

シールド型と非シールド型の近接センサの違いは何ですか?

シールド型(フラッシュ型)は、前面側を中心に磁界を形成する構造のため、周囲金属の影響を受けにくく、金属ブラケットなどに面一で取り付けやすいタイプです。非シールド型(ノンフラッシュ型)は、同一サイズでは検出距離を長くしやすい一方、側面方向にも磁界が広がるため、周囲金属の影響を受けやすく、埋め込み設置には適しません。選定時は、カタログに記載された埋め込み可否、周囲金属からの離隔距離、相互干渉距離を確認してください。

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