ウォーム減速機
歯車の組み合わせでモーターなどの入力回転数を落とし(減速し)、トルクを上げる装置です。
特長
- ウォームギアを用いた減速機です。小さい力で大きい物体を動かすことができます。
その他特殊使用としてのバリエーションがあります。
・セルフロック
・左ねじれ
・特殊な取り付け(壁、天井など)
・サーボモーター対応(高精度)
その他バリエーションが非常に多いです。
・芯間距離(入力軸の中心と出力軸の中心の距離)
・軸配置(左右、上下、両軸)
・減速比(10:1~60:1)
・軸仕様(中実、中空)
・モーター(あり、なし、ブレーキ、クラッチ)
豆知識 芯間について |
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・芯間とは入力軸の中心と出力軸の中心の距離のことです。 ・芯間距離を長くすると歯車の歯の大きさを大きくとることができるので、入力トルクを大きくできるメリットがあります。 |
減速機を使う理由
① モーターから出力される高速の回転を使用する機械に応じた回転数に減速します。
② 小さな動力源を使いながら、大きなトルクを得ることができます。
③ 大きな動きを微小な動きに変換します。
④ コンパクトな動力伝達系に高回転モーターを採用することができ、高効率化できます。
単体で使用することはなく、工場設備などにおける動力伝達用途の機械装置に組み込んで使用されます。
主に巻き上げ・昇降および搬送にかかわる部分で使用されることが多いです。
メンテナンス
慣らし運転をすることと、初期にオイル交換をすることで耐久性がアップします。
工作機械や産業用ロボットには歯車間のすき間(バックラッシ)をなくした精密な減速機が必要です。
ここポイント! |
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・入力容量(kW)を確認してください。 ・出力トルク(N・m)を確認してください。 ※ トルクとは回転している物体の回転軸の周りに働く力のモーメントです。 |
スクリュージャッキ
小さい力で大容量の物体の昇降(移動)や回転・位置決めに使用します。
特長
- ウォーム減速機を利用してねじを上下させます。
- 油圧の代わりにプレスとしても使用できます。
車両や船舶などを持ち上げて点検や修理を行う場合や、加工するワークを一定の高さに移動する場合に使用します。
選定に必要な条件
(1)荷重条件:押引力、取付方法、荷重の支持状態
(2)作動条件:所要ストローク、作動速度、入力軸回転速度
(3)使用条件:スクリューシャフトの回り止めの要否、駆動源、連結台数
(4)実稼働条件:据付姿勢、運転時姿勢、運転サイクル時間、使用頻度
用途に合わせてさまざまなタイプがあります。
・セルフロック効果の台形ねじタイプと効率のよいボールねじタイプ
台形ねじ
セルフロック機能があるのでブレーキ不要
ボールねじ
セルフロック機能がないのでブレーキ必要
(自己保持機能はなし)
・ハイリード(高速)タイプ
・減速比はH(高速)とL(低速)タイプ
・押し上げ型、引き上げ型
押し上げ型
引き上げ型
※荷重のかかり方
押し上げ型…圧縮荷重がかかります。
引き上げ型…引っ張り荷重がかかります。
・トラベリングナットにより昇降
(全高を短くできる)タイプ
トラベリングナット型
・他にもねじ軸の取り付け
先端がどのような形状でも対応できるタイプなどがあります。
ここポイント! |
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・ジャッキ選定の際には、モーター容量、昇降荷重、ねじ軸速度、許容座屈荷重、許容横荷重(ボールスクリュージャッキを除く)などが必ずメーカーカタログにある仕様性能範囲に入るように選定してください。 ・使用するストロークに対して余裕を見込んでストロークを選定してください。 ・駆動動力源としてジャッキ効率に適したモーターサイズ(kW)を選定してください。 |
ココミテvol.2より参考