ベアリング(軸受)
荷重を受けながら回転する軸を支持する機械部品です。
特長
- ベアリングとは回転時の摩擦をできるだけ小さくするための部品で、回転部分には欠かせないものです。主な特長として摩擦を減らすことで、機械が働く効率を高くする、機械の寿命を長くする、焼き付けを防ぐことで機械の故障をなくすことです。
ベアリングのしくみ
ベアリングは内輪、外輪、転動体(転がるもの)、保持器(転動体が正しく回るように位置を決めるもの)から構成され、転動体には「玉」と「ころ」があります。
玉(ボール)は点で力を受けるので高速回転に向いています。ころ(ローラー)は線で力を受けるので主に力がかかるところに向いています。
転がり軸受の分類
ベアリングが受ける力
ベアリングが受ける力には2つあり、軸に対して直角方向に受ける力を「ラジアル荷重」といい、この力を受ける軸受をラジアル軸受と呼びます。また軸に対して同じ方向の力を「アキシアル荷重」といい、この力を受ける軸受をスラスト軸受と呼びます。
シールの役目
ベアリングにはシールというゴムや鉄板のフタがあり、ゴミの侵入や油漏れを防ぎます。シールには内輪と触れる接触型と触れない非接触型があります。接触型はすき間がなく密閉性が高いが回転時の摩擦が大きいです。(ゴミの侵入や油漏れ防止を優先する時に使用します。)非接触型は摩擦は小さいが、接触型と比べ密閉性が低いので、接触型よりも摩擦を減らし、ゴミの侵入や油漏れもある程度防ぎたい時に使用します。
ここポイント! |
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・サイズ(内径×外径×幅)(mm)を確認してください。 ・ベアリングのタイプを確認してください。 ・ラジアル軸受(玉軸受/ころ軸受) ・スラスト軸受(玉軸受/ころ軸受) ・テーパー軸受(円すいころ軸受) ・他にもいろいろなタイプの軸受があります。 ・軸受の構造を確認してください。 ・開放型 ・密封型(ゴムシール/鉄板シール) |
樹脂コートベアリング
ベアリングの外輪に樹脂を成形した静穏性の樹脂ローラーです。
特殊対応品として、エスカレーターのステップの姿勢を制御するローラーとしても使用されています。
特長
- 輸送用のローラーとして仕分装置のガイドローラーや立体駐車場・駐輪装置のガイドローラー、走行ローラーとしてさまざまな装置に使用されています。
- 騒音、振動の低減に優れています。
用途
・自動仕分装置(ソーター)、事務書類搬送装置、その他搬送機器
・チェーンコンベア装置、自動組立ライン装置、垂直搬送装置
・エスカレーター、立体駐車場、駐輪装置、自動ドア(特殊対応品)
・医療機器、障害者など補助器具
・ドア開閉装置
使用上の注意
ベストローラーの回転・荷重別選定表
・軽荷重用/回転・荷重別選定表
単位:N(ニュートン)
回転 rpm\ サイズ | φ20 | φ25 | φ30 | φ35 | φ40 | φ45 | φ50 | φ55 | φ60 | φ65 | φ70 | φ75 | φ80 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
300 | 63 | 93 | 167 | 225 | 314 | 402 | 470 | 510 | 539 | 588 | 637 | 764 | 850 |
400 | 58 | 86 | 137 | 186 | 255 | 323 | 372 | 412 | 441 | 490 | 539 | 637 | 719 |
500 | 55 | 79 | 108 | 147 | 196 | 245 | 274 | 314 | 343 | 392 | 441 | 510 | 589 |
・重荷重用/回転・荷重別選定表
単位:N(ニュートン)
回転 rpm\ サイズ | φ30 | φ35 | φ40 | φ45 | φ50 | φ55 | φ60 | φ65 | φ70 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
300 | 388 | 438 | 602 | 731 | 842 | 1014 | 1060 | 1165 | 1306 |
400 | 352 | 401 | 548 | 667 | 765 | 921 | 962 | 1062 | 1202 |
500 | 303 | 347 | 474 | 579 | 660 | 794 | 829 | 918 | 1050 |
1N=0.1019kgf
ここポイント! |
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・外径寸法(mm)を確認してください。 ・使用ベアリング型番を確認してください。 ・軽荷重用か重荷重用かを確認してください。 ・総幅を確認してください。 (ウレタン部幅、ベアリング内輪突出部含む幅) ・内輪突出部を確認してください。 ・なし、片側のみ、両側 ※耐荷重は使用条件(衝撃、偏荷重、温度、湿度、路面状況など)により大きく変化します。 |
ロッドエンド(球面すべり軸受)
人の関節の役目を果たすホルダがついた球面すべり軸受です。
小さな装置機器から大型の建機まで、リンク機構を使用しているものに幅広く使われています。
特長
- ロッドエンド
ボールとハウジングが球面で接触しているため極めて滑らかな回転、すべり運動が得られます。ハウジングにめねじまたはおねじが加工されているので、取り付けが容易です。 - 球面すべり軸受
大きなラジアル荷重と両方向のスラスト荷重が負荷でき、衝撃荷重に強いので、各種建設機械、土木機械など低速重荷重揺動部に最適です。
用途
・ロボット・搬送機器リンク機構
・工作機械・繊維機械・包装機械などのリンク機構
・工業機械・建設機械・土木機械・シールドマシンのシリンダークレビスやヒンジ部
・トラックサスペンション
刈り取る部分の先端に使用されています。
無給油式について
無給油式は一定方向の荷重を負荷する場合に適し、食品機械などの油を嫌う分野や給油不可能な箇所に最適です。
ここポイント! |
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・ロッドエンド(球面すべり軸受)の内径(mm)を確認してください。 ・給油式(グリス注入)か、無給油か確認してください。 ・ロッドエンドの場合、めねじ・おねじの確認をしてください。 ・右ねじ(表示なし)・左ねじ(L)の確認をしてください。 ・外径、内輪幅、外輪幅(mm)を確認してください。 ・本体材質を確認してください。(スチール、ステンレス、アルミニウムなど) |
ココミテvol.2より参考