絞り容器を封止して使う製品は多くあります。コンデンサーや水晶振動子、ヒューズなどです。
【図1】は絞りケースを使っての封止方法です。
(a)は、外装ケースの中に小さなケース(封止ケース)を圧入して封止するものです。外装ケースの内側は、封止ケースにあわせて段形状を作っておきます。
(b)は、外装ケースは(a)同様に、内径は段絞りとして封止部品の固定部位を作っておき、外装ケース縁をネッキング(口すぼめ加工)して封止部品を固定します。
(c)は、2つの絞り容器を組み合わせて、外側のケースの縁をカーリングして、内側ケースを固定する方法です。ボタン電池がこの構造になっています。
【図2】は溶接による接合です。絞り容器(キャン)とステムと呼ばれる部品を溶接して接合する方法です。半導体や水晶振動子等の高い気密性を必要とする部品に採用されます。溶接部分にはプロジェクションと呼ばれる突起が作られます。この突起はステム側にあってもキャン側にあってもよいのですが、均一な形状と高さが必要です。
【図3】は軸の固定方法です。
(d)は、軸を通した穴の周囲をかしめて固定するいちばんよく知られた方法です。うまく固定するには結構難しいです。
(e)は、軸を圧入で固定する方法ですが、板の厚みだけでは安定しないときにはバーリングで穴形状を作り圧入します。
(f)は、パイプを固定する方法の一つですが、パイプを軸方向に圧縮することでパイプが座屈してふくらみ固定できます。パイプの一部を開放して圧縮したときは細くなる方向にくびれることはなく、必ずふくらむ方向に変形します。