抜き加工の基本は打ち抜き加工です。打ち抜き加工では、プレス加工製品の輪郭形状を作ることが多いです。輪郭形状を作る加工を、外形抜き加工とかブランク加工(ブランキング)と呼びます。
そのイメージが【図1】です。材料から抜かれた部分が製品です。
ブランクを作るために材料は少し大きくします。材料の大きくした部分を「さん(bridge)」と呼びます。
さんには「送りさん」と「縁さん」があります。
さん幅の最小値の目安は次の通りです。
・送りさん=1.5tまたは0.7mm
・縁さん=1.5×送りさん
円形や直線部の短い形状のときには、上記よりもう少し小さくすることもできます。さん幅を小さくし過ぎると正常な抜きができなくなり、パンチ、ダイの摩耗が早まりバリ発生の原因となります。ブランク寸法に送りさん、縁さんを加えたものが、送りピッチ、材料幅となります。両者は整数等のきりのよい数字になるようにさん幅を調節します。
ブランク寸法と金型寸法の関係は重要です。間違えると大変なことになります。その関係を現わしたものが【図2】です。
ブランク加工では、ブランク(製品)寸法をダイ寸法とします。パンチはクリアランス分だけ小さくします。ブランクはダイの中に入ります。ダイの中のブランクはダイを通過して取り出すか、ダイの中より押し出して入ってきた方から取り出す方法があります。ダイの中よりブランクを押し出す金型部品をノックアウトと呼びます。
ブランク加工のバリ発生方向も注意しておいて下さい。(【図2】参照)。製品によっては、外形と穴のバリ方向をそろえる要求があることも多いです。
ブランク加工のときのブランク配列を、ブランクレイアウト(板取り)と呼びます。【図3】がその例です。配列によって材料の利用率が変わってきます。材料を無駄なく使えるように配列します。