全電動式プラスチック射出成形機は、小型機を中心に急速に普及しています。
全電動式射出成形機は、その機能が格段にレベルアップしたことが、普及の原動力になっているものと思われます。
全電動式射出成形機の特徴は、以下のような点が挙げられます。
- 消費電力エネルギーが油圧式成形機に比較して大幅に少ない。40〜50%程度削減可能。つまり毎月の電気使用料金が安くなる効果がある。
- サーボモーターにより射出装置の制御が正確にできるので、成形条件の安定化が図られる。
- 低騒音で成形加工ができる。
- 通常4つ以上の独立したモーターにより、型開閉、射出、突き出し、計量ができるため、成形工程を並列進行させることが可能になり、結果的に成形サイクルを短縮できる。
- 突き出し量の正確な制御、多段突き出しなど、油圧機では難しかった作業が可能。
- 射出速度を早くすることが困難であったが、最近では1000mm/sから2000mm/s水準の条件も出せるようになってきている。
- 油を使用しないので成形環境がクリーンとなり、食品容器や医療関係の成形では好都合である。
- 現在のところ、成形機の価格が油圧機に比較して割高である。
射出成形機が進化することにより、金型にもそのための技術水準の向上が、徐々に求められるようになってくると考えられます。例えば、精密な位置決め機構やエアベント機構、金型温度調節機能などのレベルアップが必要になるでしょう。
金型用標準部品の世界でも、このようなニーズに対応した新商品が開発されてゆくものと推測されています。