キャビティ・コアは、成形品の形状を形作る重要な部品ですが、その作り方には大きくわけて二種類の方法があります。
「一体構造」と「分離構造」がその製作方法です。
「一体構造」は、文字通りキャビティ・コアを一体の部品で製作する方法です。
「分割構造」は、キャビティ・コアを2以上の部品に分割し、組み合わせる方法です。
それぞれの方法には長所と短所があります。【表1】にその一覧を示します。また、【図1】には各構造の事例を示します。
【表1】一体構造と分割構造の長所と短所
比較項目 | 一体構造 | 分割構造 |
部品点数 | ◎ | △ |
機械加工性 | ◎〜▲ | ◎〜▲ |
機械加工コスト | ◎〜▲ | ◎〜▲ |
材料コスト | ○ | △ |
コーナー部形状精度 | △ | ◎ |
磨き加工性 | △ | ◎ |
エアベント効果 | △ | ◎ |
メンテナンス性 | △ | ◎ |
(評価:◎=秀でる ○=優れる △=一部可 ▲=適当でない)
「一体構造」を採用するか「分割構造」を適用するかの意志決定は、成形品の形状、金型寿命、樹脂の種類等によって、得失を考慮して判断を行います。しばしばいずれの方法が優れているのかというご質問をお受けしますが、前提条件によって優劣は決定されるという事が回答となります。