射出成形材料を着色するにあたり、基本的な4種類の着色剤とその混合方法について紹介していく。
基本的な4種類の着色剤とその混合方法
(1) ドライカラー方式
ナチュラルペレットに粉状の着色剤をまぶす方法である。混合比は、着色したい色・濃さによりさまざまである。ドライカラーとナチュラル材の混合には、タンブラーを使用するのが一般的となる。
安価に着色できるというメリットがある一方、タンブラーや成形機に着色剤の粉が付着したり、工場内に飛散して隣の成形品に影響を及ぼすこともあるので、次の成形の段取り替えに手間がかかるというデメリットもある。
※タンブラー=ドラムの中に原料と着色剤を入れ、グルグル回して均一に混ぜる機械
(2) マスターバッチ方式
マスターバッチとは、ペレット状になった高密度の着色剤である。ナチュラル材に混合して使用する。混合比率は、3~10%程度が一般的となるが、材料によってさまざまである。
混合方法は、タンブラーもしくは混合機を使って混合し、成形機の加熱筒の中で溶融することで着色する。
ドライカラーに比べると割高ではあるものの、ドライカラーのように粉状の着色剤ではないため、成形機に粉が付着したり、工場内に飛散して隣の成形品に影響を及ぼしたりすることはなく、清掃の手間が少なく済むというメリットがある。
※混合機=ナチュラル材・粉砕材・マスターバッチなど数種類の材料を指定した分量で計量し混合する機械
(3) カラードペレット方式
専門の着色メーカーにてペレットを着色する方法である。費用はかかるものの、他の混合方式のように着色剤の粉が飛散したり、混合する手間がかからず、着色ムラに対しても最良である。
(4) リキッドカラー方式
液体の着色剤で着色する方法を指す。成形機に注入機を使用してナチュラル材を着色する。ドライカラー方式と同様に、安価で着色できるというメリットがある一方、掃除の手間がかかるというデメリットもある。
着色状態の比較