金型部品に使用する鋼材の強度や弾性を示す物性質として、「縦弾性係数」があります。
縦弾性係数は、通常「ヤング率」とも呼ばれています。
縦弾性係数は、鋼材を引っ張った際に発生する「ひずみ」と「引張応力」の比例係数のことです。
これらの関係を数式で表しますと、下記のようになります。
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つまり、「応力は、ひずみに比例する」訳です。
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縦弾性係数は、金属材料の種類によってその物性値は特定されます。一般に、縦弾性係数の数値が大きい材料ほど、引張応力や剛性が高くなります。
【表1】に代表的な金属材料の縦弾性係数のデータを示します。
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縦弾性係数Eと部品の断面形状によって決まる「断面二次モーメント」Iを掛け算した数値を剛性と呼びます。
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E・Iの数値が大きいほど、部品の剛性が高くなることを示し、破壊に対する強さを意味します。大きな射出圧力や重力が作用する部品ではE・Iを大きく取る機械設計を心がける必要があります。