金型部品に使用する鋼材の強度や弾性を示す物性質として、「縦弾性係数」があります。
縦弾性係数は、通常「ヤング率」とも呼ばれています。
縦弾性係数は、鋼材を引っ張った際に発生する「ひずみ」と「引張応力」の比例係数のことです。
これらの関係を数式で表しますと、下記のようになります。
σ=E x ε
単位 | |
縦弾性係数:E | kgf/cm2 または MPa |
ひずみ:ε | % |
引張応力:σ | kgf/cm2 または MPa |
- ε
- :イプシロン
- σ
- :シグマ
つまり、「応力は、ひずみに比例する」訳です。
縦弾性係数は、金属材料の種類によってその物性値は特定されます。一般に、縦弾性係数の数値が大きい材料ほど、引張応力や剛性が高くなります。
【表1】に代表的な金属材料の縦弾性係数のデータを示します。
縦弾性係数E | ||
(kgf/cm2) | (MPa) | |
軟鋼 | 210 x 104 | 20.59 x 104 |
S50C | 210 x 104 | 20.59 x 104 |
プリハードン鋼(SCM440系) | 203 x 104 | 19.9 x 104 |
SKD11 | 210 x 104 | 20.59 x 104 |
黄銅 | 63 x 104 | 6.17 x 104 |
銅 | 105 x 104 | 10.29 x 104 |
アルミニウム(純アルミニウム) | 68 x 104 | 6.67 x 104 |
超々ジェラルミン | 73 x 104 | 7.16 x 104 |