射出成形加工されたプラスチック成形品は、2以上の成形品どうしを後加工で接合して製品にすることがしばしば行われます。一回の射出成形で加工できればよいのですが、アンダーカット形状がある場合などは2部品を作ってから、溶接などで接合しなければならない場合もあります。
プラスチック成形品の接合加工法としては以下の方法があります。
1.熱接着法
金属板を電熱ヒーターで加熱して、成形品を加圧して融着させる方法です。フィルムや袋などで多用されています。
2.瞬間熱接着法
熱接着法の一種ですが、金属リボンヒータに加熱して融着させます。金属リボンヒータは細いので加熱と冷却に要する時が瞬間になりますので、接合部がきれいにしっかりと接合させることができます。
3.ホットジェット
電熱ヒーターを内蔵したエアーブロー装置から熱風を送り出してプラスチックを融着させる方法です。ヘアドライヤーと類似した方法です。溶接棒を用いて肉盛りしながら接合させることもできます。
4.高周波誘電加熱接着法
高周波を送ることでプラスチックの部分を加熱して接合させる方法です。フィルム、シートの接合で多用されています。
5.超音波接着法
プラスチック製品に超音波を与えることで、超音波振動を発生させ、摩擦熱によってプラスチック製品の部分を加熱して接合させる方法です。超音波発信周波数によって接合の強度が変ります。成形品の表面のあらさ、意図的な凹凸模様などによって接合を強固にさせる工夫ができます。
6.二色成形法
2つの射出シリンダーから交互に樹脂を金型内へ射出することによって、最初に成形された成形品(一次側成形品)に、後から射出した樹脂でオーバーコートさせて接合させる方法です(二次側成形品)。同じ種類の樹脂であっても樹脂の特性によっては接合がうまくいかない場合もあります。相性の良い樹脂どうしだと強固に接合ができます。