プレス抜き加工(せん断加工)に必要な加工力を知ることは、プレス機械の選定や金型設計のためにも欠かせません。

 せん断加工力(P)は、次の式で求められます。

■式1
 P=L・t・S
     P:せん断加工力(Kgf)
     L:加工周長(mm)
     t:板厚(mm)
     S:せん断抵抗(Kgf/mm2)

 しかし、せん断抵抗(S)を知ることが難しいときには、材料の引張強さ(Ts)の80%として代用することが行われています。式が次のように変わります。

■式2
 P=K・L・t・Ts
     P:せん断加工力(Kgf)
     K:係数=0.8
     L:加工周長(Kgf)
     t:板厚(mm)
     Ts:引張強さ(Kgf/mm2)

 【図1】を例にしますと、せん断力は次のようになります。このときSPCCの引張強さを30Kgf/mm2として計算します。

P=0.8×π×40×1×30=3014.4(Kgf)

【図1】抜き形状

 せん断力の軽減方法として、【図2】に示すようなシャー角を付ける方法があります。シャー角はブランク抜き加工ではダイに、穴抜き加工ではパンチにシャー角を取ります。
 シャー角は、H寸法で板厚程度以上に取ることが多いです。ちなみに、シャー角のH寸法を板厚程度に取ったときには、おおよそ30%程度まで加工力を軽減できます。

【図2】加工力の軽減(シャー角)