注射器や薬瓶などの医療用器材には、プラスチックが多用されうようになってきています。医療用器材は、私たちの健康を守り、病魔から逃れるための医療を実施するために必要不可欠な道具であり、そのような人体に直接関与する部品でもあるために、安全性、信頼性が科学的に保証されている必要があります。
また、最近の新たな感染症の出現等とも関連して、一度使用された医療用具を洗浄、消毒して再使用することは限定され、使い捨て(ディスポーザブルタイプ)のプラスチック製医療器材が多用されるようになってきています。使用済みプラスチック製医療器材は、廃棄後の燃焼処理で有害物質が発生しない工夫も素材自身には要求されており、使用時と廃棄後の社会的に要求される特性を満足しなければならず、プラスチック素材もそのような意味から限定されることになります。
日本におけるプラスチック製医療器材に使用されている主なプラスチックには、以下のような種類があります。
- ポリ塩化ビニル
- ポリカーボネイト
- ABS樹脂
- ポリプロピレン
- ポリエチレン
- ポリスチレン
- ふっ素樹脂
- ポリエチレンテレフタレート
- メタクリル酸メチルエステル
- ポリアミド
- ポリエーテルスルホン
- ポリスルホン
- ポリウレタン
- エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂
- シリコーン樹脂
- 熱可塑性エラストマー
- 液状シリコーンゴム(LSR)