「接着」と同様に「はんだ付け」も、製品の軽薄短小化と高機能化を実現させる重要な要素技術です。
 さらに、はんだの主成分の鉛の毒性による環境汚染を防ぐために、鉛フリーはんだへの切り替えが進められています。ここでは、短納期で生産準備を完了させる「はんだ付け」のLCA(ローコストオートメーション)を解説します。

(1)はんだ付けの基礎

■はんだが母材につく理由

 はんだの溶融熱により、母材とはんだが解け合金化するため

■フラックスを使う理由

  1. 母材表面の清浄化作用
  2. はんだ合金部の酸化防止作用
  3. はんだ付け性の改善作用(はんだのぬれ性向上)のため

■はんだ付け法

 *こてはんだ、*浸漬はんだ、*リフローはんだ など

(2)はんだ付けLCAの狙い

 製品開発初期は、ベテランによる手はんだが主です。ベテランは、部品形状などから、はんだ付けの条件におおよその見当をつけ、はんだの溶ける状態(ぬれ性、溶融はんだの色合い、流れ状態など)を見ながら、作業条件(移動速度や加圧力など)を決めています。
 LCA化の狙いは、ベテランの習熟作業をLCAの手段に置き換え、初心者の作業習熟期間を短期化することです。

■はんだ付けLCAの狙い
  1. 習熟度のバラツキによる個人差を無くす
  2. 品質、コストの安定化
  3. 技能者の教育負担の回避と省人化

(3)はんだ付けLCA設計の勘所

 はんだ付けLCAに影響を与える因子は下表です。

はんだ付けLCA影響因子 はんだ付け条件との関係 製品への影響(不良要因など) はんだ付けLCA設計の勘所
はんだこて先のチップ形状
・ はんだ付け部の圧力変動
はんだ付け部の変形
・ はんだつけユニットしゅう動部の滑りの安定化
はんだとフラックスの供給法
・ 供給量の不足や過多いよる、はんだ不良
はんだブリッジやいもはんだ不良
・ はんだ、フラックス供給量と位置の安定化
はんだこて稼動タイミング
・ 上記に同じ
・ 断線
熱変形、はんだ不足、配線部の断線
・ ワーク高さや位置のバラツキの影響を回避するタイミング制御
はんだこて先の
(温度 x 時間)
・ 合金化の不安定
接合不良、配線部の断線、他
・ ワークホルダからの放熱の安定化設計(断熱)
はんだこて先の付着物
・ 溶融はんだのぬれ性が変動
はんだつけ品質全般のバラツキ
・ 定期的にこて先の付着物を取る