接着剤や塗装剤の乾燥・硬化処理や塗布したクリームはんだの溶融処理のために、熱処理プロセスが必要です。この熱処理プロセスは、前後のプロセスに比べタクトが長くなるのが一般的なため工程設計が難しく、その装置の大きさがラインレイアウトに大きく影響します。ここでは熱処理プロセス用LCA(ローコストオートメーション)の設計の勘所を解説します。

(1)熱処理の基本プロセス

 熱処理プロセスの基本的な温度プロファイルは、【図1】に示す3つのプロセスで構成されます。

【図1】熱処理プロセスの温度プロファイル例

熱処理プロセスの区分 プロセスの機能
昇温プロセス
・ 接着剤の硬化反応温度、はんだの溶融温度までゆっくりと温度上昇させることで、熱衝撃を回避する。
・ 昇温プロセスが急激な場合、クラックや残留応力を生じる。
熱処理プロセス
・ 樹脂の硬化反応やはんだの溶融プロセス
降温プロセス
・ 反応温度を室温にもどす。
・ 降温プロセスが急激な場合、膨張係数の異なる部材間で剥離を生じやすい。

(2)代表的な熱処理装置

 ここでは塗装剤や接着剤や塗装剤の乾燥用装置を挙げました。

  1. 熱風炉
  2. 遠赤外線炉
  3. 紫外(UV)線炉
  4. 赤外線電球炉
  5. その他

(3)熱処理プロセスのLCAの勘所

熱処理プロセスLCA 機能 LCA設計の勘所
ワークホルダ設計
・ ワークに熱エネルギーを均一に作用させる
1. 熱エネルギーを遮らない形状
2. 熱伝導性が大きな(小さな)材料
排気ダクト
・ 温度分布の調整
・ 反応ガスの放出(安全衛生)
熱硬化樹脂:反応ガス
UV硬化樹脂:オゾンガス
1. コンベア炉では入口、出口に手動調整弁付き排気ダクトを配置
熱処理炉構造
・ 前後の生産タクトに適合できる熱処理能力
・ 品質を保証する熱処理プロセス
1. 生産方式と炉構造
バッチ生産方式
 →ボックス炉
1個流し生産方式
 →連続炉
混流生産方式
 →小型多段ボックス炉
<注記:シリコンラバーヒーター
でLCA用炉を製作>
搬送装置・
バッファ装置
・ ラインバランス調整用バッファ機能
・ トラブル時のバッファ機能
・ 昇温、降温プロセスを兼用
1. 搬送装置の加熱温度に適応できる搬送方式を選択する
高温:
 ウォーキングビーム方式
 メッシュベルト方式など
低温:
 プッシャ方式など